老後の収入源や相続税対策としてアパート経営のような不動産投資を行う方が増えています。
アパート経営は資金調達・空室対策・メンテナンスなど投資の中でも難度の高いものですが、なぜ増えているのでしょうか?
また近年はアパート経営に関してのトラブルも増えています。
何が問題で、それでもなぜ増えているのか?解説します。
不動産投資が増えるのは老後の不安と相続税対策と言う勧誘が増えているため
人口減や収入減によって不動産会社も運営が大変になっています。
多くの建物を建てて人を入れなければ利益が出ませんが、自分の会社だけですべて立ててしまうと資金繰りも大変ですし、管理する人材も数多く必要になってしまいます。
そこで不動産会社ではアパートやマンション経営など不動産投資をしてくれるオーナーさんを募集しています。
特にここ最近はネットでも少額投資ができる「ソーシャルレンディング」やマイナス金利で銀行も貸し所を探していて借りやすい、と言ったように不動産投資の環境が充実しています。
そのため不動産会社の営業マンさんも不動産投資の勧誘に力を入れています。
ここでまず注意が必要になってきます。
営業マンは成績至上主義で、成績が自分の給料に反映されます。
なので中には「必ず儲かる」や「絶対に損をしない」と言った言葉を使って勧誘する方もいます。
しかし投資である以上絶対や必ずはありませんので、もし不動産投資の勧誘でこのような言葉を使われたらその営業マンは信用しないようにしましょう。
将来の不安や相続税対策として不動産投資が注目される
年金はもらえる年齢がどんどん引き上げられて、さらに金額も若い世代ほど下がってしまいます。
今後年金をもらう方は年金だけではとてもではないですが生活が出来ない、そんな時代になるかもしれません。
また相続税が上がる影響も大きいです。
親から土地を相続しても相続税が高くて手放さなくてはならない、といった事態を避けるためにアパートを建てて土地の価値をあえて下げる事で相続税の軽減を狙う方もいます。
このように外的な金銭不安要因からアパートやマンション経営と言った不動産投資が現役サラリーマンの方を中心に注目される理由です。
なぜ銀行からお金が借りやすくなっている?
アパートやマンション経営をするには数千万~と言った莫大な資金が必要になります。
手元にそれだけのお金がある方はほとんどいらっしゃらないでしょうから、銀行からお金を借りる必要があります。
少し前までは銀行も貸し渋りが酷く、借りれないことがネックとなって不動産投資が出来ない人も多かったです。
しかしマイナス金利の導入によって、銀行もお金を積極的に貸し出さなければ利益が生まれない状況になっています。
そのため銀行側もアパート経営をしたい方にもかなり積極的に貸し出しています。
これには後述する不動産会社のサブリースや建てる建物と土地を担保にする事で、案件が焦げ付いてもしっかりと銀行の利益は守られるとの計算があるためです。
不動産投資のトラブルの原因「サブリース契約」とは
アパートやマンション経営でオーナーさんが一番頭を悩ますのが「空室率」です。
空き部屋があれば収入は入りませんが、毎月のローン支払いは待ってくれません。
空室をいかにしてなくすか?これがアパート・マンション経営の難しい所です。
そこで不動産会社では一括借り上げという「サブリース契約」をオーナーさん提示することがあります。
これは空き室の有無にかかわらず常に一定額の家賃支払いを保証してくれるシステムで、この契約をすれば空室率の問題からオーナーさんは解放されるため非常に人気の契約システムとなっています。
ただ契約書に小さく但し書きがある事でトラブルが発生しています。
この一括借り上げは5年10年と言った単位ごとに借り上げ金を見直すという条項が盛り込まれています。
この条項に気付かずに契約をしてしまう事で、数年後の家賃見直しでトラブルが発生、サブリース契約の解除となりオーナーさんの自己破産が起こってしまう事があります。
不動産オーナーの自己破産でも会社や銀行は損しない?
オーナーが破産したら不動産会社も銀行も困るんじゃない?ともうかもしれませんが、そうではありません。
不動産会社は建物を建てた段階で一定の利益を得ています。
また銀行も数年間は安定した資金回収ができる上に、建物や土地を回収することで残りの部分も補てんできるからです。
もちろん実際全てを回収できるかは不明ですから、銀行も不動産会社もオーナーさんに破産してもらいたいわけではありませんが、オーナーが破産してもその影響はそれほどでもなかったりします。
投資はリスクとリターンをしっかりと見極めて
今は良くても今後近辺に同じようなアパートが次々と建てられるかもしれません。
逆にしっかりと安定した利益が得られる立地条件かもしれません。
営業マンの言葉をすべて鵜呑みにせずにリスクとリターンとしっかりと考えて投資をはじめましょう。
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